税金
住民税の決まり方と、
合法的に減らす3つの方法
毎年6月に届く住民税の通知書。「また上がった」「なんでこんなに高い」と感じたことがある方は、 まず仕組みを知ることで納得感が変わります。 そして仕組みを知ると、合法的に減らす手段も見えてきます。
この記事でわかること
- ✓住民税は「今年の収入」ではなく「前年の収入」で決まる。退職翌年・育休明けに高くなる構造的な理由はここにある
- ✓所得割は一律10%(都道府県4%+市区町村6%)。控除を増やすことが唯一の合法的な節税手段
- ✓iDeCo・ふるさと納税・医療費控除の3つが住民税を直接減らす実効性の高い手段
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住民税は2つの部分で構成されています。
所得割
10%
前年の課税所得に対して一律10%。
道府県民税4%+市町村民税6%。
均等割+森林環境税
5,000円
所得に関係なく全員に課税される定額。
住民税4,000円+森林環境税1,000円(2024年〜)。
重要:前年所得課税
住民税は今年の収入ではなく、前年1月〜12月の所得で翌年6月から課税されます。 2025年の収入に基づく住民税は、2026年6月から2027年5月にかけて支払います。 所得税が「今年の所得に今年課税」されるのとは違います。
退職翌年・育休明けに住民税が「重い」理由
退職翌年のケース
前年まで正社員として働いていた所得に基づいて税額が決定します。 収入がゼロや大幅に減った年でも、前年の高い所得に対する住民税の納付書が届きます。 さらに会社員時代は毎月の給与から12回に分けて天引きされていたものが、 退職後は4回払い(6・8・10・翌1月)になるため1回あたりの金額も大きく感じます。
育休明けのケース
育休中は育児休業給付金(非課税)で生活していても、育休前に稼いだ前年所得で住民税が計算されます。 手取りが減っているタイミングに高額の納付書が届く構造です。 育休明けに職場復帰してもしばらくは前年所得ベースの税額が続きます。
住民税を合法的に減らす3つの方法
住民税の所得割は「課税所得 × 10%」なので、課税所得を減らすことが節税の基本です。 以下の3つが実効性の高い手段です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
掛金が全額「所得控除」になります。課税所得が減るため、住民税(所得割)が掛金の10%分だけ直接軽減されます。 月2.3万円の掛金なら年間で住民税が約2.8万円減ります。
例:年収500万円・月2.3万円をiDeCoに拠出
住民税の軽減額(年間)
約2.8万円
所得税の軽減額(年間)
約2.8万円
合計で年間約5.5万円の節税(年収500万・所得税率10%の場合の概算)
ふるさと納税
iDeCoが「所得控除」なのに対し、ふるさと納税は「税額控除」です。 課税所得が減るのではなく、計算された税額から直接差し引かれるため、 控除効果が強力です。寄付額から2,000円を引いた金額が翌年の住民税から引かれます。
ポイント:iDeCoとふるさと納税は併用できますが、iDeCoで課税所得が下がるとふるさと納税の控除上限額も若干下がります。iDeCoを先に計算してから上限額を出すのが正確です。
医療費控除
1年間の医療費が10万円(または所得の5%)を超えると、確定申告で所得控除を受けられます。 住民税に対しても適用されるため、控除額の10%が住民税から軽減されます。
対象:通院・入院費、処方薬代、医療用器具(補聴器等)、出産費用など。 市販薬はセルフメディケーション税制の対象。通院交通費も含められます。
2024年の改正:森林環境税の導入
| 項目 | 〜2023年度 | 2024年度〜 |
|---|---|---|
| 住民税均等割 | 4,000円 | 4,000円 |
| 復興特別税 | 1,000円 | 終了 |
| 森林環境税(国税) | — | 1,000円(新設) |
| 合計 | 5,000円 | 5,000円 |
実質的な負担は変わりません。名目が復興特別税から森林環境税に変わっただけです。
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iDeCoに未加入であれば、掛金の10%が住民税から軽減されることを踏まえて加入を検討する
ふるさと納税の控除上限額を確認し、年末までに上限内で寄付する(ワンストップ特例で手続き簡略化)
年間医療費が10万円に近い場合は領収書を保管しておき、確定申告で医療費控除を申告する
退職・育休を予定している場合は、前年の税金が翌年に来ることを見越して現金を確保しておく
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本記事は2026年3月時点の制度情報に基づく一般的な情報提供です。 節税効果の試算は概算であり、個別の所得・控除状況により異なります。 正確な税額の確認や申告については税理士または各市区町村にご相談ください。