住宅ローンの変動金利 vs 固定金利
— 日銀利上げ局面での選び方(2026年版)
2024年3月、日銀はマイナス金利を解除した。その後も利上げを続け、 2025年12月には0.75%と30年ぶりの水準に達した。 変動金利は依然として固定より安いが、 「ずっと低金利が続く」前提で選ぶ時代は終わった。 5年ルール・125%ルールの落とし穴を知った上で選ぶことが、 これからの住宅ローン選択の基本になる。
この記事でわかること
- ✓日銀は2024年〜2025年で計4回利上げ。現在0.75%(2026年3月)
- ✓変動金利(最優遇)は0.6〜1.2%台。2021年の0.3%台から上昇
- ✓フラット35(全期間固定)は2.25%(2026年3月)
- ✓5年ルール・125%ルールは金利上昇時に「元本棚上げ」が発生するリスクがある
- ✓新規借入者の84%は依然変動を選択。差があるうちは変動優位だが上昇リスクを理解して選ぶ
日銀政策金利の変化 — 「金利のある世界」へ
変動金利は短期プライムレートに連動する。日銀の利上げが続くと変動金利も上がる。
| 時期 | 政策金利 | 内容 |
|---|---|---|
| 〜2024年2月 | −0.1% | マイナス金利政策(2016年〜) |
| 2024年3月 | 0〜0.1% | マイナス金利解除。17年ぶりの利上げ |
| 2024年7月 | 0.25% | 追加利上げ |
| 2025年1月 | 0.5% | 追加利上げ |
| 2025年12月 | 0.75% | 追加利上げ。1995年以来30年ぶりの水準 |
| 2026年3月 | 0.75%(据え置き) | 直近の決定会合。追加利上げは留保 |
エコノミスト予測では2026年末に1.0%前後まで上昇する見通しもある。
2026年3月現在の住宅ローン金利
変動金利(最優遇・2026年3月)
| 銀行 | 変動金利 | 区分 |
|---|---|---|
| auじぶん銀行 | 0.684%〜 | ネット銀行 |
| 住信SBIネット銀行 | 0.698%〜 | ネット銀行 |
| りそな銀行 | 0.640%〜 | 大手銀行 |
| みずほ銀行 | 0.775%〜 | 大手銀行 |
| 三菱UFJ銀行 | 1.025%〜 | 大手銀行 |
| 三井住友銀行 | 1.175%〜 | 大手銀行 |
最優遇金利。実際の適用金利は審査結果・条件により異なる。
フラット35(全期間固定・2026年3月)
2.25%
借入期間21〜35年・団信あり。2023年頃の1.8%台から上昇中。
2021〜2022年との比較
変動金利(最優遇)は2021年頃に0.3%台が主流だった。 現在は0.6〜1.2%台と2〜4倍程度に上昇。 「変動は安い」という前提は変わらないが、金利差は縮まっている。
変動金利の落とし穴 — 5年ルール・125%ルール
一見「返済額が増えない安全装置」に見えるこの2つのルールが、 金利上昇局面で借り手に不利に働くことがある。
5年ルール
金利が変動しても返済額は5年間変わらない。 ただし内訳(元金・利息の配分)が変わる。 金利が上がると利息分が増え、元金の減りが止まる。
125%ルール
5年ごとの返済額見直し時も前回比125%超には上げない上限がある。 ただし、上限を超えた利息分は消えず将来に繰り越される。
「元本棚上げ」が起きるとどうなるか
1. 金利上昇 → 返済額は変わらないが、ほぼ全額が利息に消える
2. 元金がほとんど減らない状態が続く
3. 払いきれなかった利息分は将来の返済に繰り越し
4. ローン満了時に「残債」が残る可能性がある
2025年12月の利上げ(0.5%→0.75%)の影響は2026年7月返済分から既存借入者に反映される銀行が多い。
どちらが安くなるかの損益分岐
借入3,000万円・35年の場合、変動と固定の月返済差額。
| 金利 | 月返済額(概算) | 35年総支払 |
|---|---|---|
| 変動 0.7%(現在水準) | 約8.1万円 | 約3,400万円 |
| 変動 1.5%(将来上昇後) | 約9.2万円 | 約3,860万円 |
| 変動 2.0%(さらに上昇) | 約9.9万円 | 約4,170万円 |
| 固定2.25%(フラット35) | 約10.3万円 | 約4,320万円 |
概算。変動は現在水準固定・将来上昇は考慮しない場合の試算。実際は段階的に変動する。
変動が2%台まで上昇すると固定との差は縮小するが、それでも固定より安くなる計算になる。 ただし「いつ・どのくらい上がるか」が不確実なため、リスク許容度で選ぶ必要がある。
どちらを選ぶかの判断軸
変動金利が向いている人
- ✓収入が安定しており、金利上昇時に繰り上げ返済できる余裕がある
- ✓借入額が少ない・返済期間が短い(金利上昇の影響が限定的)
- ✓金利動向を定期的に確認し、状況次第で対応できる
- ✓5年ルール・125%ルールのリスクを理解した上で選択している
固定金利(フラット35など)が向いている人
- →毎月の返済額を確定させて家計管理したい
- →収入の変動リスクがある・返済余裕が少ない
- →金利上昇リスクを取りたくない・精神的安定を重視する
- →借入額が大きく・返済期間が長い(金利上昇の影響が大きい)
すでに変動金利で借りている人へ
今すぐ確認すること
2025年12月の利上げ(0.75%)の影響は多くの銀行で2026年7月返済分から反映される。現在の金利・残高・返済額を確認し、今後の返済額がどう変わるかシミュレーションしておく。
5年ルールの「次の見直し時期」を確認する
5年ルールの起算点は借入開始日から5年ごと。次の見直し時期に返済額がいくら増えるかを銀行のシミュレーターで確認する。
固定への借り換えは慎重に試算する
借り換えには手数料・登記費用・諸費用が発生する(借入額の1〜3%程度)。固定の現在水準(2.25%)への切り替えコストと、変動のまま続けた場合のリスクを具体的な金額で比較してから判断する。
よくある質問
5年ルール・125%ルールがない銀行はありますか?▼
変動と固定を組み合わせる「ミックスローン」はどうですか?▼
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