はやく言ってよ
住宅

マンション管理費・修繕積立金
— 購入後に上がり続ける費用の構造

2026年3月30日

この記事でわかること

  • 修繕積立金は新築時に意図的に低く設定され、大規模修繕に向けて段階的に上がる
  • 国交省調査で約3割のマンションが積立不足。一時金徴収や値上がりが起きやすい
  • 30年間の月額が「新築時の2〜3倍」になるケースは珍しくない
  • 購入前に重要事項説明書・長期修繕計画・総会議事録の3点を必ず確認する

マンションを購入するとき、毎月の支払いは「ローン返済額」で計算されがちだ。 しかし実際には管理費・修繕積立金が毎月2〜5万円以上かかり、かつ年月とともに上がっていく。

「購入時の説明では月1.5万円だったのに、10年後に3万円になっていた」 という話は構造的必然だ。なぜ上がるのか、どこで確認できるかを整理する。

管理費と修繕積立金は別物

管理費

日常的な管理業務に使う費用。清掃・電気代・管理会社報酬など。

月1〜2万円(比較的安定)

修繕積立金

大規模修繕のために積み立てる費用。外壁・屋上・配管など。

月3,000円〜3万円以上(段階的に上昇)

管理費は比較的安定しているが、修繕積立金は大規模修繕の計画に合わせて値上がりする。 問題になりやすいのは修繕積立金の方だ。

修繕積立金が上がっていく構造

多くのマンションは「段階増額積立方式」を採用している。 新築時は低く設定し、大規模修繕が近づくにつれて値上げする。

なぜ最初から適正額にしないのか — 「月額が安い」という訴求力が販売時に有利なため。

時期管理費修繕積立金
新築時1〜1.5万3,000〜8,000円
5〜10年後1〜2万8,000〜1.5万円
10〜20年後1〜2万1.5〜2.5万円
20年超1〜2万2〜3万円以上

30年間の合計額はローン返済に匹敵する

管理費+修繕積立金が月3万円で30年間続いた場合の合計は1,080万円。 ローン返済額とは別に、これだけのコストが確実に発生する。購入前の試算に含めているかどうかで、住居費の認識が大きく変わる。

大規模修繕で何にいくらかかるか

修繕項目周期費用目安
外壁塗装・補修12〜15年ごと100〜200万円/戸
屋上防水10〜15年ごと20〜50万円/戸
給水・排水管更新25〜30年50〜100万円/戸
エレベーター更新25〜30年全体で1,000〜2,000万円
機械式駐車場15〜20年全体で500〜3,000万円

積立不足が起きると何が起きるか

国土交通省の調査(2023年)では、 長期修繕計画に基づく必要積立額に対して不足しているマンションが約3割に上る。

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修繕積立金の大幅値上げ

管理組合の総会決議で引き上げ。値上げ幅が月1万円以上になるケースもある。

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一時金の徴収

1戸あたり数十万〜100万円単位の一時金が請求されることがある。

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修繕が先送りされる

積立不足のまま修繕を先送りにすると、建物の劣化が進み資産価値が低下する。

購入前に確認すべき5つのポイント

仲介業者・売主に確認を求めれば、基本的にこれらは開示される。

1

修繕積立金の現在の積立残高

管理組合の総会議事録や重要事項説明書で確認。「長期修繕計画」の修繕費予定額と比べて不足していないか確認する。

2

長期修繕計画の最終更新年

5年以上更新されていない計画は実態と乖離している可能性が高い。コスト見積もりが古く、積立不足を見落とす原因になる。

3

修繕積立金の値上げ計画

「段階増額方式」のマンションは今後の値上げが予定されている。今の金額だけで判断しない。

4

機械式駐車場の有無

機械式駐車場は維持コストが高く、空き区画が多いと費用を管理費で補填しなければならない。

5

管理組合の財務状況

総会議事録を読む。滞納者が多い、修繕積立金を管理費に流用しているなどの記述がないか確認。

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